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カラタケ日記

派遣社員から契約社員になって9年経過。思いついたことを書いてます。

高いけど安い無洗米

前回、小売店頭で無洗米が売れないのは「高くてマズイ」からだと書いた。それじゃあどうして「安くてウマい」のではなく「高くてマズイ」のかを考えてみたい。

まず販売価格が「高い」理由を挙げると、無洗米製造装置の設備導入費(イニシャルコスト)と維持費(ランニングコスト)が高いためだ。

2012年当時、大型の無洗米製造装置2台を導入していた関東地区のa米販売業者はフル稼働状態で月約100トンの無洗米を製造していた。

製造した無洗米の販売方法は店頭販売のほか中食(なかしょく 持ち帰り弁当やスーパー店頭でご飯や惣菜等を購入する形態)、外食店などの業務用およびネット通販、大手スーパーなどへの納入である。

また無洗米設備を導入していない小売店からの委託によって無洗米加工する業務も行っていた。その際の加工賃は米1キロ当たり20円だった。なお無洗米加工時の歩留まり率は98%と話していた。つまり精白米を無洗米加工すると2%のロスが出るということだ。


しかし委託料㌔20円には億単位の無洗米装置の減価償却費は含まれていなかった。なぜなら価格競争に勝てないからだ。無洗米装置の償却費を販売価格に転嫁してしまうと競合他社に価格設定で負けてしまうためである。

a業者はまたメンテナンス用の部品500万円分をストックしていたほか、装置の清掃費として年10万円を計上していた。フル稼働状態で少ない利益を捻出していたことから、わずか一日の操業停止であっても死活問題につながりかねないからだ。

メーカー側は部品の即時供給は難しいとして、a業者に事前に購入してもらうことで緊急時の修理対応を了承した格好だ。

無洗米加工の委託料20円はa業者に限ったことではない。全国の米販売業者が他社よりも1円でも安い価格を提示することでしか販売数量を維持することができないのだ。

無洗米装置に限らず、設備費を減価償却費として計上できない仕組みが出来上がってしまっている。

米販売業者の先にいるのは量販店各社である。米販売業者がわが身を削りながらの価格設定を行う理由はすべて量販店各社の意向に沿うためである。

米販売業者は大手ベンダー(販売店)の顔色をうかがいながらの価格設定を提示するしか生き残る道はないのがその理由だ。

無洗米設備の種類についても、量販店の意向が示される。湿式研磨剤、乾式研磨剤の各タイプについても量販店サイドから指定される。

その地域で米販売業者としての地位を確立し販売量を維持するには、量販店が示した販売戦略に沿いながら、指定された無洗米装置を導入するしかないのである。

そして価格設定についても、最大限の譲歩を迫られる。「いやなら、ほかから仕入れる」を聞きたくないために。

そうした弊害が米の品質に表れてくることになる。週刊ダイヤモンドの記事「魚沼産に中国産混入」などが典型的な例た。過去にもあったが外観で品種を見分けにくい米に付きまとう事件でもある。

極端な薄利多売の競争原理にさらされている米販売業者にとっては、低価格米の利用は即利益につながる悪魔のささやきでもあるのだ。
 ※週刊ダイヤモンドで記事になった京山サイドの説明はこちら


ん、ちょっとまてよ。ここでの論調は無洗米は精白米に比べ高いということだったはずだ。しかしこうやって、落ち着いて考えてみると、莫大な設備投資を実施した割には無洗米はなんて安いんだという結論になる。

高い(安い)無洗米は米販売業者の涙ぐましい企業努力によって(量販店の意向もあり)良心的な価格で購入できる商品だということが分かってくる。

で、もう少し考えると、量販店の先には我々消費者がいるということになる。長いデフレ不況からいまも続く消費不況が低価格の原因の一つとも指摘される。

ということで、高くて安い無洗米の理由を考えてみた。

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