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カラタケ日記

派遣社員から契約社員になって9年経過。思いついたことを書いてます。

大丈夫Ⅱ

透析を終えてエレベーターで待合室に降りてきた80歳のBさん。1階に着いたエレベータから付き添っていた助手さんと降りようとしていたが足元がふらついて前に進めない。

もたもたしているうちにエレベータのドアが閉まり、階上からのリクエストでそのまま2階へ上がっていってしまった。その後、すぐ降りてきてやっと待合室に歩みだすことができたものの、一人で立って歩くことはできず、助手さんに支えられての移動となった。

そのままの状態で送迎車に乗せるのは不安なため、一緒にいた運転手の責任者が助手さんに、血圧測定を依頼した。助手さんがBさんに問いかけるとかすれた声で「大丈夫」と返ってくる。

ふらふらのBさんを一旦椅子に座らせた助手さんは、血圧測定を頼むべく看護師さんのいる2階へと階段を駆け上がっていった。

素早く降りてきて測った看護師さんが「93あるから大丈夫だと思います」と言う。

(え!93って何。どういう93?上が93、下が93。それってどっちも良くないんじゃないの。オレは下が80で上が140だけど。ちょっと血圧高いけどさ。93の何が大丈夫なの)と思いながらも「車で送っていっても大丈夫ですかね」と冷静に問いかける私。

「大丈夫だと思います」を繰り返す看護師さん。

(まじかよーほんとに大丈夫…)の視線を隣にいた助手さんに送る私。それに答えるかのようにうなずく助手さん。

Bさんの両サイドに座り、まだ出発しないのかという視線をよこすCさんとDさん。

「車に乗れば大丈夫」と根拠のない大丈夫を繰り返すBさん。力強い大丈夫の声を上げない看護師さん&助手さん。どっちやねんと詰め寄りたいのをこらえる私。

ふと見るとすでに車の乗車場所の玄関先に歩き出しているBさん。それを追うように助手さんと看護師さんが駆け寄る。

「それじゃあ、送っていきますよ」と看護師さんの中くらいの大丈夫を信じて送ることにした私は、持ってきた車の後部ドアを開け、3人の患者さんを乗せて送迎車のドアを閉めた。すると一瞬、後部座席で心臓マッサージを必死になってやってる自分の姿が頭をよぎる。いや大丈夫、大丈夫と自信に満ちた大丈夫を自分自身に投げかけた。

途中、ルームミラーを何度も確認しながらの運転だったが、結局のところ降車場所まで無事送り届けることができた。

そして迎えに来ていたBさんの奥さんに「今日は、止血が遅れて、体調が悪いようです」と告げた後、家路につくBさん夫婦の後ろ姿をしばらく見送った。

いつか大丈夫じゃない日に当たるかもしれないなと、病院への帰路で思ったりした。心臓マッサージの講習受けた方が良いのかな。








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