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カラタケ日記

派遣社員から契約社員になって9年経過。思いついたことを書いてます。

「タネはどうなる?!」-種子法廃止と種苗法運用で-コシヒカリがなくなる     ■日本は彼らが巨利を貪ることができる残された最後の種子市場■

主要農作物種子法(以下 種子法)が今年4月1日に廃止された、ようだ。

となると、今後、各県の銘柄米はどうなるのだろうか、という疑問が湧く。売出中の「新之助」や「富富富」や「 雪若丸」はどうなるのだろうか。

実のところ私は種子法が廃止されたことをつい最近まで知らなかった。普段、テレビやネットでニュースはそれなりに見ているほうだが気付かなかった。種子法廃止のニュースをマスコミが大きく取り上げることはなかったということだ、と思う。それもおかしな話だ。

ちょうど森友学園や加計学園問題があり世間の関心がそちらに向いているすきに裏でちゃっかり進められたのだ。

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種子法廃止が意味するものとは?
国民の健康が危機に晒されている




本書「タネはどうなる?!」(著者山田正彦・元農水大臣)は、―日本の食料の最大の危機を明らかにする-として種子法廃止に異議を唱えている。

本書によると、日本原種のコメはやがて無くなるらしい。各県産の銘柄米は、やがて大企業や多国籍企業の種子に駆逐されると予想する。しかも世界中でボイコット運動が盛んな遺伝子組換え種子に置き換えられる計画だとも。

種子法とは、主要農作物であるコメや大豆、麦など野菜を除いた種子の安定的生産及び普及を促進するため、コメ、大豆、麦の種子の生産について審査その他の措置を行うことを目的として制定された日本の法律である。

食糧難だった時代に制定されたが、(種子法廃止によって)大都市と農業県に国が一律に指導する形は廃止され、市町村など各地方自治体ごとに奨励品種への権限が委譲されるようになった(Wikipediaより引用)。

これまでコメ、麦、大豆の伝統的な日本の在来種を、種子法によって国が管理し各自治体に原種・原原種の維持、優良品種の開発、奨励、審査を義務付けてきたわけだ。

つまり、「国が管理して、農家が安定してコメなどを作れるように、各都道府県に種子増殖、そのための原種・原原種の育種技術の維持を義務付けして、公共の物として守ってきたのだ」。

なので、その地域に適正した多様な品種(コメだけでも300品種)を提供できた。ところが同時に改正された農業競争力強化支援法8条3項によって、銘柄を集約して、大手企業のため数種に絞られることになるらしい。


膨大な育種データを外資を含む民間に提供

そのうえ「農業競争力強化支援法8条4項により、これまで日本が蓄積してきたコメなどの原種・原原種、優良品種の知見をすべて民間に提供することになっている」という。要は、長年蓄積してきた膨大な育種データを外国籍を含む民間企業に開放するということだ。

本書は「種子法の廃止によって原種がなくなればいずれ国内の大企業、多国籍企業の民間の種子に頼らざるを得なくなるのは目に見えている」と食料安全保障の観点からも警鐘をならす。

「また、これらの企業および農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)においては、すでに遺伝子組換のコシヒカリなどのコメ品種を用意している。しかも環境省は(2018年8月)遺伝子組み換え技術でのゲノム編集については『※遺伝子組み換えでない』ととんでもない決定をしている」という。
カルタナヘ議定書(生物の多様性に関する条約のバイオセーフティの議定書)に基づき、遺伝子を切断しているだけで新たな遺伝子を組み合わせたわけではないとの見解。

それじゃあ「遺伝子組換え作物」とはどのような品種なのだろうか。主流となっているのは除草剤抵抗性と害虫抵抗性、貯蔵性増大を示す品種だ。ただ、国内では現在のところ実験的栽培を除いて作付けされていない。

稲に当てはめると、移植した稲が除草剤に抵抗性を示すため、適時、除草剤を撒くことで除草作業の軽減が期待できよう。害虫抵抗性の場合、例えば被害の多いカメムシなどを寄せ付けない品種が開発されたとしたら、被害低減により増収が期待されよう。

生産者にとっては、除草作業や害虫の被害が低減できる理想的な品種であるはずだが、どうやらそうでもないらしいことが明らかになっている。

メキシコでの例がある。「トウモロコシ品種多様性の中心地であるメキシコにおいて遺伝子汚染」が過去に問題となった。遺伝子組換えの仕組みについてはこちらが分かりやすい。


人間の健康に与える未知のリスク

ETCグループ(国際市民団体)がまとめた報告書によると「その危険性には遺伝子組み換え作物を食べた人間の健康に与えるほとんど未知のリスク、そして除草剤耐性または害虫耐性の遺伝子が受粉を通して野生の親戚種に入り込む時に起こるであろう生態系と作物の管理に及ぼす影響の問題も含む」と指摘している。


ところが、問題は遺伝子組換えに限らないのである。それはF1(一代雑種)種子でも起きているらしい。すでに多くの種子がF1種子に切り替わった野菜で、我々人間への悪影響が取りざたされているのだ。

本書によると「F1のタネ取りに使われているミツバチに異変が起こった」という。2007年頃から米国や欧州などで、受粉させるために利用している大量のミツバチが消えたという報道が相次いだようだ。最初の報道は「全米で突然ミツバチが巣箱に女王蜂と数匹を残しただけで消えてしまった」、だった。

また2009年6月25日付の農業新聞の記事に、「欧州でヒマワリ、ナタネ、トウモロコシの単作地帯で被害が大きい」とあり、「いずれもF1の種子による栽培が行われている地帯だという。極端に産卵数が少なくなる不妊症の女王蜂の存在に養蜂家が気が付いた」のだ。


複合汚染でヒトの精子数が4分の1に激減

働き蜂たちはヒマワリなどの雄性不稔種の花から蜜を集めている。それらの蜜が女王蜂や産卵を助けるための雄蜂の食事になる。「交尾のために数匹しか生まれない雄蜂たちが男性不妊、無精子症になっているのではないか」との仮説を立てている。

さらに異常はミツバチだけにとどまらない。最近話題になっているヒトの精子の数だ。1940年代には、平均精液1ミリリットル(1cc)の中に1億5000万個いたが、現在ではその4分の1に減少しているらしい。

山田氏は「科学的に証明されているわけではないが、F1の種子が雄性不稔から作られていることに不安を感じる」と問題提起している。

また「遺伝子組換え農産物の栽培に(旧)モンサントがセット販売している農薬ラウンドアップに使われているグリホサートが精子の数を減少させるとした研究論文や、スイスの学会ではネオニコチノイド(農薬)も精子の数を減らすとした報告もあるが、このような化学物質が原因の複合汚染によるものかもしれない」との考えを示している。


みつひかりは全国のコメの生産量1%にまで拡大

そして、日本で栽培されている野菜の種子は90%がF1(一代雑種)である。コメについては、現在、茨城県で三井化学のみつひかり(コシヒカリとインディカ種の系統を交配させた一代雑種)が栽培されている。生産量については「全国のコメの生産の1%をシェアするまでに至っている」。

価格については、「コシヒカリの種子は1キロ500円で販売されているが、みつひかりは1キロ3500から4000円といわれている」と固定種の7~10倍になっている民間育成品種との価格差を指摘している。

そのほか、みつひかりを栽培している石川県の例として、「2年目までは収量は多かった(11俵)が窒素肥料をふんだん使うために土壌が追いつけないのか、いくら肥料を肥料を大量に施肥しても次第に落ちた。化学肥料を3割から4割多施肥するようで、土壌にかなり負担がかかるようだ」と紹介、除草剤などの農薬とセット販売が原則となるため、生産費増となる点についても言及している。

自家増殖(採種)ができなくなる

そして問題なのが、種苗の自家増殖原則禁止だ。日本では種苗法で自家増殖が原則守られていたものの、植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)を批准したこことから、原則禁止する方向で検討されている段階だ。

登録に数千万円 違反者には刑罰
UPOV条約とは、1972年に大企業が品集の知的所有権を主張し始めたことによって締結された条約。種子の登録制度を設けて、新しく同質的で安定していて他の類似の種子と区別できるような種子を登録させて、その種子をフォーマルな種子として政府が認め、それを無断で自家増殖(採種)することも流通させることも禁止したもの。

これによって、これまでの農民の持っていた多様な品種を栽培や交換、そして有償で提供することはできない。現在欧米ではUPOV条約によっ登録された種子の自家増殖(栽培)は原則禁止されている。

EUでの育成者種子権利を登録するにはかなりの費用(数百万~数千万)を要し登録を維持するにも相当な費用がかかるとされ、ほとんどが大企業が登録し、違反者は刑罰に処せられることになっている。



そうした条約は、種子法が廃止された現在、これまでの政府の対応から判断してコメなどにも適用されていくことになると推測される。

上記した民間の育成品種みつひかりを例にとると、種子の価格差は7倍以上となる。さらには農薬・肥料代の負担を考慮すると、従来品種との販売価格差はより大きくなろう。そして消費者の経済的負担が増すことになる。

農水省が各自治体に提示した次官通知には、「これまで実施してきた稲、麦類及び大豆の種子に関する業務のすべてを、直ちに取りやめることを求めているわけではない」との記載があったという。

これは「いずれやめなければならないと明確に述べていることになる。そして種子事業を続けることは構わないが予算は付けられませんよと暗示していることになる」として、国内農業を軽視した対応に憤りを露わにする。

現状においては種子事業の継続を表明している自治体がみられるものの予算がなければ継続は事実上難しくなる。そうなると、民間の育成品種にたよらざるを得なくなるのは明白だ。


期待されるスギ花粉症緩和米

一方で、遺伝子組換えのコメとして注目されているのが、現在開発中の「スギ花粉症緩和米」だ。
日常的に食べるコメでスギ花粉症の症状が緩和できる画期的なコメとして期待されていて、待ち望んでいる患者は多いと予想される。

遺伝子組換えではないが、連続戻し交配で育種して遺伝子を導入し、2005年から新潟県が導入したのが「コシヒカリBL」だ。いもち病抵抗性を示す品種として、こちらは毎年異なる4品種を混合栽培している。

コシヒカリBLの市場での評価は、目的としたいもち病抵抗性および食味に関しておおむね良好のようだ。ただ厳密にはコシヒカリとは異なる品種のため、微妙な食味差を訴え、従来品種のコシヒカリを生産して差別化を図った販売戦略を実践している生産者も存在する。

日本においては、長年こうした連続戻し交配などの技術を駆使して育種を進めてきた実績がある。そうして地域環境に即した品種を育成し、種子の健全性を保ってきた歴史がある。

平成30年産の産地品種銘柄一覧によると、うるち米795、もち米131、醸造用207品種にも及ぶ。そのうち、主食用として生産されているのは約300品種だとされる。

「種子においては多様であることがこそが、予期せぬウイルスなどの感染場合に人類の食糧を救えることはすでに歴史が証明している。多様な品種の中には必ず耐病性を持つ種がある」と多様性の重要性を強調している。



日本は彼らが巨利を貪ることができる残された最後の種子市場

なお山田氏は、種子法廃止の経緯については、「安倍自公政権は米国のモンサント(2018年6月にバイエルが買収)などの要望を受け入れて、極秘のうちに2016年の早い段階から農水省に種子法廃止の検討をさせたものと思われる」と官邸人事を盾にとったうえでの強硬姿勢を批判している。

そして当然ながら「農水省内部ではコメなどの主要農産物の育成してきた立場から180度転換するものなので、かなり抵抗があったようだ」と本書で記述している。


山田氏は、種子法廃止によってコシヒカリなどの「原種が失われれば、いずれ国内の大企業、多国籍企業の民間の(遺伝子組み換えなどの)種子に頼らざるを得なくなるのは目に見えている」と、日本農業が大きな危機に向かいつつある現状を訴える。

そして続ける。「世界の種子を支配しようとしている多国籍企業のモンサント(バイエルが買収済)、ダウ・デュポン、シンジェンタなどは、日本の種子だけで年間8万トンとされている国内の主要な農産物の種子市場を黙って見逃すはずなかった。しかも世界中でビジネスをする種子会社は化学肥料と農薬をセットで販売するビジネスモデルを確立している。日本市場は彼らが巨利を貪ることができる残された最後の種子市場である」として、警鐘を鳴らしている


自治体が独自の取り組み実践するも‥

種子法が廃止されたことを受けて慌てた各自治体が独自の取り組みを実施している。新潟県では、種子法に代わる主要農産物種子条例が県議会の全員一致で可決され、4月1日付けで施行されている。これによって、今まで通り原種・原原種を保全、育成する従来の態勢を維持することを決定している。また、兵庫県議会でも種子法に代わる条例を全会一致で可決成立させている。

そのほか、全国から種子法廃止に対し公共の種子を守る意見書が政府あてに続々と出されている現状を紹介している。
ただ、前記したように予算面での問題から自治体独自の種子事業の継続が危ぶまれるところだ。


種子法廃止を報道しないマスコミ

山田氏はマスコミの対応についても不満を漏らす。「新聞、テレビはこのような日本の農業にとって戦後最大の重大な局面あることを全く報道しない」。

このため「当事者でもある各都道府県から委託を受けてコメ、麦、大豆の種子を生産してきた種子栽培農家もほとんどの人が種子法が廃止されたことも、仮に聞いたことがあったとしても、それがどのようになるかは知らない」実情を全国を回って感じたという。

種子栽培農家の仕事はなくなる

コメの場合、現状においても種子は毎年農協などから購入して栽培している生産者が多数を占める。民間企業が参入して独自栽培した品種を種子栽培農家が無断で自家採種した場合、UPOV条約を批准している国内においては刑罰に処されることになる。

効率を追求する大手企業は、コメの種子に関しても野菜の種子で行われているように大規模栽培が可能な海外で生産を実施することになると予測される。そうなると国内の種子栽培農家の仕事はなくなるのだ。

そうしたことから各地で意見交換会を開催している。

そして農協、生協、一般市民らともに「日本の種子(たね)を守る会」を設立して種子法廃止に関しての対応策を進めている。具体的には、公共の種子を守る法律を議員立法で作る請願の署名活動を始めた。

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Author:カラタケ
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